ガラッ―
雨音に引っ張られるまま教室に入った俺達は当然注目される訳でクラス全員の視線が俺達に集中した。
キーンコーン
カーンコーン
席に着いた途端本鈴が鳴ってなんとか遅刻せずにすんだわけだけど、
学級委員によって朝礼がされると担任がもうすぐ行われる球技大会について説明していた。
そんな中
「おい、どうして雨音さんと一緒に教室入ってきたんだよ。」
前の席の樹が話しかけてきた。
樹は幼稚園の頃からの幼馴染みで俺の一番の親友。
「ん〜っ、なんて言うか教室の前でばったり会ったんだよ、それだけ」
なんとなく本当のことは言いたくなくて適当に誤魔化した。
多分、この学校で俺だけが知ってる、雨音 涼花。
その優越感に浸っていたかっただけなのかもしれない。

