水色ガールフレンド


忘れてた…。
普通に話してたから友達感覚になってた。
雨音はただの親切心で俺と話してくれていただけなのに。

「俺、後から行くから先行きなよ」

無愛想にそれだけ言うと近くの椅子に座って携帯を開いた。

「えっ?なんで?
一緒に行けばいいじゃん。
同じクラスなんだし…。
遅刻するよ?」


俺だって一緒に行きたいよ?

けど、けどさ…

「俺と一緒に言ったら…へ、変な噂とか…されるよ?」

あ―!せっかく誘ってくれたのに断った上どもっちゃうし…さっきは結構カッコついたのにな―。

こう…クールな感じ?

「…?変な噂って?」

首を横に傾けて不思議そうな顔で俺を見る雨音と目を合わせられなくて

「た、例えば…付き合ってるとか?」

目を泳がせ伏し目がちに言う俺に

「そんなに嫌?
あたしと噂されるの」

「えっ?ぜ、全然!
俺は全く嫌じゃない…」

意外な言葉にがばっ顔を上げて勢いよく否定すると

「あっ!もう38分じゃん!
本当に遅刻しちゃう…行くよ」

腕時計を見てそう言うと、俺の腕を掴んで半場強引に音楽室を後にした。