水色ガールフレンド


「あのさ、気付いてないと思うけど…一応…俺等、同じクラスなんだよね、」

そう言って床に落としていた視線を彼女の反応を伺うように上げると、案の定そこには、

「あ、そうなんだ―!
ごめん、全然気づかなかった!」

と全く悪びれる様子はなく、逆に満面の笑み。

だけど単純な俺は、そんな表情にもときめいてしまったりして…。

「あ―、あと…俺の名前…榎科砦ってゆーから。
まあ、適当に…呼んでくれたら…」

「あたしのことも好きに呼んでくれていいよ」

涼花…。

折角好きに呼んでいいって言ってくれてるし…本当はそう呼びたいけど、緊張しすぎて絶対、本人の前ですら口に出して呼べない。

それにそう呼んだ瞬間、クラス全員の驚異の視線が俺に集中する様子が目に見える。

結局雨音さんって言っちゃいそうな…てかもう話す機会なかったり…。

なんかそれ、めちゃくちゃありそう。

まあ、そうだよな―。

何気、今二人きりで会話してることでさえ夢みてぇなことだし。

現実味がねぇ―よな…。