バンッ
「たっだいまぁ〜!!翠氷〜!会いたかったぁー」
ギュッ

「ちょ、お母さん…」

突然帰ってきたと思えば抱きついてきたこの人は私のお母さん。
2週間に1回ぐらいしか帰ってこられないから、帰ってきた時はずっと喋ってる。

「今日は頑張って2日も休み貰っちゃった♪お話もあるしね!」

「え?お話…?」

なんかいやーな予感が…

「うん。北海道に出張になって。3ヶ月ぐらいなの。それでね、友達も一緒に行くんだけど…」

ゾクッ

「友達の息子がね、1人で家事するの厳しくて。だから、その子と一緒に住んで欲しいの。ダメ?

「ダメじゃな…ってええぇえ〜!?『息子』!?ってことは男!?」

「…うん。やっぱりダメかなぁ?」

いやいや、そんなシュンとされちゃうとなぁ…

「……その子って家事できないんだよね…?それなら…仕方ない、かな。…うん。分かった。いいよ。」

はぁー…。困ってる人をほっとけないこの性格、やだなぁ。

「ありがとうっ!翠氷ならそう言ってくれると思ってたよ!」

「う、うん…」

「じゃあ、明日は荷物運んでみんなでご飯食べるから楽しみにしててね♪」

「…はーい」