祐梨side
バスケ部に入って3日たった。
凪咲先輩の鬼のメニューのせいでどこもかしこも筋肉痛だ。
そんな今日は日曜日。
だけど、朝はゆっくりしてられない。
「お母さん!あたしのバスパンどこ!?」
「かごの中に白のバスパンがあるけど…今日部活休みなんじゃないの?」
「部活自体は休みだけど、毎朝凪咲先輩と朝練なの!!」
お母さんに説明しながらバスパンを急いで履いて準備をする。
「ふふっ、そう。」
お母さんはなぜか少し嬉しそうだ。
あたしは遅刻しそうでこんなに急いでるのに!
「じゃあいってきます!!」
「はぁーい、いってらっしゃい!」
家を飛び出して自転車に乗る。
そして、いつもと変わった光景が目に入る。
あたしの何mか先を景ちゃんが自転車にのって走っていた。
しかもバスケの練習着だし。
まさか、男子今日部活あるの?
でもまだ6時半だよ?
…あ、そうだ。
景ちゃんは練習試合の日は早く行ってボールに馴染んでおくっていう習慣があるんだった。
…って、こんな事考えてる場合じゃない!
凪咲先輩との練習に間に合わない!
間に合わせるためには景ちゃんを追い越すしかない。
しょうがない。
凪咲先輩との朝練に遅刻して練習がさらにきつくなるのは嫌だ。
そう決心したあたしは全力で自転車をこいで景ちゃんの横を通り過ぎる。
「…っ!?祐梨!?」
あ、やっぱりあたしだってばれた。
「おい、祐梨まて!」
「待たない!」
景ちゃんと久しぶりに話した言葉の第一声はこれか。
けど、そんなこと、気にしていられない。
きっと、凪咲先輩はすでに体育館にいる。
景ちゃんと話すことを優先するか、
凪咲先輩との練習に遅れないのを優先するか、
…普通に考えて後者に決まってる!!
「おいっ、祐梨!待てって!」
「ごめん景ちゃん!あたし急がないと凪咲先輩に殺される!!」
あたし暴言を吐き捨ててさらにスピードをあげた。
