景都side



凪咲は上手くいってるのだろうか。



あの契約をして2日たった。



今週いっぱいは関わらないという契約を結んだ俺は今もかなり不機嫌だ。



思えば祐梨が入学してから1週間避けられ続けたわけで…



今週も関わらないとなると、2週間も関わらないことになる。



祐梨がバスケ部に入れば関われるという事だけど…いくら凪咲でも説得には1週間かかるだろう。





「はぁ。」





今日もため息を付きながら部活をしに体育館に入る。




「お!景都!やっと来たか!」



なぜか異常にテンションが高い創が俺の前にくる。



「なんだよ、お前なんでそんなテンション高いの?」




悪いが、今の俺はそのテンションについていけない。





「見ろよ景都!今日の女バスすげー…「ちょっと、うるさい黙ってろ創。」





不機嫌な俺は創に怒りをぶつけた。





「は?お前気づいてないのか?」





てっきり怒って返事をされると思ったが、今日の創は機嫌がいいのか?





「……なにが」



「だから女バス。見てみろって。」






そう指さされて女バスの方をみる。




「ったく、女バスがどーしたっていうんだ……っっ!?」




俺は驚きのあまり目を見開いた。


女バスでプレーしていたのは…





「……祐梨?」





ヘアバンドをつけて、得意のドリブルでリングに向かって走る祐梨がいた。




「ははっ、さすが凪咲だな。景都、お前より信用されてるんじゃないのか?」




「……まじで?ほんとにあれ祐梨か?」




「どーみたってそうだろ。祐梨ちゃん以外いねぇーよ。凪咲と張り合ってバスケしてんのは。」





そうだよな。


どうみたって祐梨にしか見えない。


祐梨をみるとすごくきつそうだけど楽しそうにバスケをしている。



凪咲はどうやって誘ったんだ?

俺でも説得できなかったのに。


それより久しぶりに祐梨のバスケが見れた。



祐梨はプレーに夢中で俺には気付いてないようだ。

それは別にいいんだけど。




ここにいるってことは入部したってことだよな?



…ってことは、話しかけにいっていいって事だよな?