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「はぁ…はぁ。」
鬼だ。凪咲先輩は鬼だ。
朝からこのメニューはきつすぎる。
ご飯食べない方が良かったかも。
なんだか吐きそう…。
壁に寄りかかって座りこむ。
「大丈夫?はい、これあたしからの入部祝い。」
そう言って手渡されたスポーツドリンク。
「あはっ、ありがとうございます。」
「どーいたしまして。」
凪咲先輩があたしの横に座り込む。
怖いって印象しかなかったけどこうしてゆっくり見れば凪咲先輩はかなり美人だ。
黒い綺麗なストレートのかみを後ろで束ねたポニーテール。
すらっとした横顔。
「そんなにあたしをみないで、恥ずかしいから」
「あはっ、凪咲先輩でも恥ずかしいとか思うんですね?」
「あら、それはバカにしてるのかしら?」
「してませんよーっ。…あ、そうだ。凪咲先輩」
「んー?」
「なんで、あたしがバスケ部に入らない理由分かったんですか?」
「なんでだと思う?」
「……教えてくれないんですか?」
「教えてほしい?」
「バスケ部に入ったら教えてくれるって言いましたよね?」
「じゃあ、今日から部活くる?」
「……行くっていったら教えてくれるんですか?」
「えぇ、もちろん。」
「……行きます。」
あーあ、またはめられた気がする。
けど、この人にはめられるのは悪くない。
「あなたがバスケ部に入りたくない理由が分かったのは…」
「………。」
言いかけてる途中で立ち上がる凪咲先輩。
「……あたしもそうだったからよ。」
「え?」
自分の荷物をすべて片付け始めて、バックも肩にかけた。
「じゃ、祐梨。放課後迎えに行くから。」
「え、いいです、自分で行けます。」
「あら、いいの?変に1人で来て景都と会っても。」
「……お願いします。」
「ふふっ、最初から甘えなさい。美夜も連れてくるから楽しみにしてて」
そう言い残して体育館を去っていった。
