橘先輩に言われたことを
考えているうちに授業が終わって、
考えながら自転車をこいでいたらいつの間にか家について、
考えながらテレビをぼーっとみてたらお父さんがいつの間にか帰ってきていて、
考えていたらいつの間にか夕飯の時間で…
「祐梨?」
「………。」
「祐梨っ?」
「………。」
「祐梨っ!?」
「へっ!?え、な、なに!?」
お母さんが慌ててる様子だった。
「祐梨が夕飯の時にぼーっとしてるなんてびっくりしちゃって…もしかしてまずい?」
「えっ!?ちがうちがう!ただ、考え事してただけだよ!このコロッケ美味しいよ!」
「そう?なら良かったわ!」
お母さんに心配させてしまった…。
「祐梨、何かあったらお父さんたちに相談していいんだぞ?」
「そうよ祐梨。なにかあった?」
…相談するのもありかな。
あたし1人じゃ解決しないし。
「あのね、お父さん、お母さん。」
「「ん?」」
「あたし、今日女の人であんなに怖いって思ったの初めて…かも。」
「…っ!!なんだ!?祐梨!!可愛さのあまりいじめられたのか!?」
お父さんがお橋をバチンッとおいて立ち上がってあたしの肩をもった。
親バカってこーゆーのかも。
「ち、ちがうよ!!今日、女バスのキャプテンとお話したの!!」
「な、なんだ…よかった。」
もう、お父さんったら…
「それで?お父さんは放っておいて、その先輩がどうしたの?」
「……あたしの考えてること全部あてたの。」
「へぇ、すごいわねその子。」
「…うん。それにね、その先輩すごく自信たっぷりなの。怖いなって思ったのと同時にかっこいいなって…」
「うん。そっか。それで?」
「……あたしも、こんな風になりたいなって…」
「うんうん。」
「…一緒にバスケしたい…って、あ。」
「ふふっ、いいんじゃない?」
お母さんを見るとニヤニヤしている。
しまった…はめられた。
「やっと本音が聞けたわ。」
「ちっ、ちがっ。」
「祐梨。いい?お母さんの話をよく聞いて。」
「………。」
お母さんは両手であたしの頬を優しく挟む。
そして、お母さんの綺麗な瞳と目が合う。
「あのね、やりたいことをして後悔するのはもちろん苦しいけれど、しないで後悔するのはもっともーっと苦しいのよ?」
「……お母さん。」
「アメリカに行くこととか、景都くんのこととか、全部無しにした時、祐梨はバスケをしたいの?したくないの?」
「………したい。」
「ふふっ、ちゃんと自分のこと分かってるじゃない。なら、迷うことないんじゃない?」
「………。」
お父さんの方を見るとお父さんも嬉しそうに笑ってる。
「祐梨。あなたの1番好きなことをめいいっぱいやりなさい?」
あぁ、これだからあたしは日本に1人で残るなんてできないんだよ。
「…大好き!お父さんお母さん!」
そう言うと、自分もと言って頭をなでられる。
相談して良かった。
