そして入学式から1週間たった今…
「ゆーうーりちゃんっ!」
背後から近づいてあたしに抱きつく誰か。
もう誰なのかは顔を見なくたって分かってしまうようになった。
「美夜先輩、苦しいですよ〜」
「えー?じゃあ離してあげる代わりにバスケ部入って?」
「遠慮しときます。」
「んー、つれないなぁ」
この人は美夜先輩。
あたしと同じ中学出身で1個上の先輩。
バスケ部で一緒ですごく好きな先輩。
「でもなんで〜?祐梨は絶対バスケするって思ってたんだけどなぁ。私、楽しみにしてたのに」
「バスケはもうしないんです。」
「その理由を、美夜先輩にも教えてごらん?」
美夜先輩はすごく可愛くてアグレッシブだ。
そして、あたしはこの笑顔に弱い。
「…バスケ自体は続けます。だけど、部活には入らないって決めてるんです。」
「………そっか。祐梨になにかあったのはよく分かった。…でも、私も諦めないからねっ?」
「諦めないって…」
「もう部長にも言っちゃったもんね!1年生にあたしの後輩でスーパールーキーがいますってね!」
そう、ウインクしながら言う美夜先輩。
「美夜先輩…何言ってるんですか。」
ーーキーンコーンカーンコーン♪
昼休みが終わるチャイムがなる。
「あ、やっば!私次移動だった!じゃあね祐梨!放課後迎えに来るから!」
「え!?いや、迎えに来なくていいです!…ってもういないし。」
だめだ。今日HR終わったらダッシュで帰ろう。
バスケ部に連れて行かれるのだけはごめんだ。
だって、そこには景ちゃんだっている。
