記憶は私に愛をくれない。




「ちょ、これ、どーしたの?」




電気すら陸の部屋にはついてなかったけど、廊下の明かりで中はよく見えた。


陸は、布団の上で目を隠すようにして寝ていた。







「まず、入れよ。」






陸に言われて手探りで壁に取り付けてある部屋の電気をつけてから部屋のドアを閉めた。





本やらCDやらいろんなものが散らばっていたためそれらを踏まないようにしてベッドの近くの机の前に座った。