記憶は私に愛をくれない。

「じゃあ、ふたつめ。」






いつも持ち歩いてるNikeのリュックサックに荷物を
片付け終わったのと同時に次の声がかかった。





「これがさーー、ほんと大変でさーー。保健のせんせが大変そーに着替えさせてた。
あ!俺はもちろん見てないからね?」





最後のひとことはちょっと余計なこと言ったね。





目が完全に泳ぎまくってる。




ふーーん、見たというよりかは、見えてしまった。的なかんじか。




こういう、嘘をつくのが下手なとこ昔から全然変わらない。




変わってない。




変わらないんだ――――――――。




「はいはい、わかったありがとう。」




「ほんとに見てないからーーー。じゃあラストね!」