記憶は私に愛をくれない。

「お前の唇カサカサじゃーーん!!!」



押し付けるのは強引だったくせに



そっと唇をはなしやがった陸の最初のひとこと。




なんかすんごい雰囲気ぶち壊し……。





今までちょっとドラマチックだったのに!!!!!





「しょーがないでしょ!!!

水泳やってるんだからリップぬっても塩素でダメになっちゃうし……。」



しかも今まで気にしてたところを突かれて最悪な気分。





「元気になったな、それでよし、」




しかもいきなり頭を掻き回すようになでる大きな手。






そこで、ひとつ思い出した……。