記憶は私に愛をくれない。

「え、記憶戻った??」


体を起こして陸の真正面に当たるところに座った。


「いーや、」


その言葉でへこむ自分が悔しい。


何を期待していたんだろうか。


「ただ、そんな事篠宮が言ってたから。」


夏恋のおかげか。。


「そっか、、」


としか言えなくて恥ずかしくて、下を向いてしまった。


かけられていたシーツをギュッと握った。


「俺のこと好きなの?」


「え、え、なんで??」


顔を上げると漆黒の瞳で見つめられて、視線を外せない。