「あたしね。たぶん、湊くんのこと……好き、なんだと思う」 静かに発せられた言葉に、僕は耳を澄ませる。 平静を装いながらも、心臓は早鐘を打つようで、内心ものすごくどきどきしている。身体中の血が沸騰しそうだ。 「でもね、あたし……これが恋なのかそうじゃないのかわからない。湊くんに逢ったの昨日が初めてだったわけだし、湊くんがあたしの恩人だったからかもしれない」 恋じゃないかもしれない。 その言葉がゆっくりと積もって、澱(おり)をつくる。 僕は思わず、くゆりさんから顔を背けた。