【完】相沢くんの秘密。



「相沢くん、めちゃくちゃ顔赤いよ?!」

「…ごめん、恥ずかしいからあんまこっち見ないで。」


頼りなさげな瞳でそう訴えかけられても、見たことのない貴重な相沢くんから目をそらせるわけもなかった。


「俺、あんま表情出ないかもしれないけど、実は…結構な照れ屋なんだよ。」


恥ずかしそうに、1つ1つ言葉を紡ぐ相沢くんに全ての神経を奪われる。


「だから、あんまりそういうこと言えなかった。言おうとしても表情が崩れそうで…こういう姿見られたらと思うと恥ずかしくてさ…」


だらんと下がっていた私の手を取って、繋ぎ直す。

どくん、と大きく心臓が動く。

速く、うるさく、今にも飛びだしていきそう。


「…幻滅した?」

「そんなことない…。むしろ、もっと好きになってしまいました…!」


私の声で紅い顔が更に色を増す。

それにつられて、私も真っ赤なりんごになる。