「怖い思いさせてごめん。気づくの遅くてごめん。」
「え、大丈夫だよ!だから気にしないで!!」
両肩をもたれ、何度も頭を下げられる。
私と相沢くんの温度差に、やっと理解が追いついた。
「でも…」
「相沢くんが来てくれたから、大丈夫!あ、あとね、初めて私のこと…彼女って言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しかった、です。」
後半、恥ずかしくなってどんどん声が小さくなる。
最初は少し嫌悪感があったけど、相沢くんが来てくれて、彼女って言ってくれて。
言う機会はないかもしれないんだけど、初めて言ってもらえてとても嬉しかった。
照れと嬉しさでじわじわと頬が紅く染まっていく。
あああ、すごい恥ずかしい…!
少しの沈黙のあと、すっ、と両肩から重みが消える。
流れで相沢くんの顔を見ると、口を手の甲で隠した私より真っ赤な彼がこちらに視線を向けていた。

