間近で見るキスシーンに、
見ている側が恥ずかしかった。
しかも後ろには唯くんがいる。
それに...
キスが長い。
ずっとハルトくんの方が夢中になって
キスをしている。
私達の存在をまるで気にしていない。
桃華は、少しそのキスに対しては引き気味だ。
人前でキスをされるのがいやだったのか、
桃華は、キスをされた後
不機嫌になっていた。
「ったく、なんなのよ...。
.....初めてのキスだったのに。」
「わりぃ。だって
桃華かわいいんだもんなぁ〜」
と、チャラ男が桃華のほっぺをツンツンする。
なんだ、このラブラブなやり取りは。
後ろにいる唯くんは、どんな顔で
このやり取りを見ているのかな...。
振り返ると唯くんは、苦笑いで
私の方を見て言った。
「あのふたり、凄くラブラブだよね(笑)」
「うん...(笑)なんか、私達って控え目なカップルだよね?」
「それが
俺達らしくていいじゃん」
そうだよね。
私達は、私達だから。


