唯くんから数学を教えてもらっている時も、私は唯くんを意識していた。



唯くんの髪の毛の匂いも...頭がクラクラしそうなほど良い香りだし。



...って、私...変態だぁあああ。




「望和...?聞いてる?」



「あっ...あ、ごっごめん...」



「集中しなきゃ、頭に入らないよ?」



「でも...それは分かってるけど…」



「集中できない?」



「...うん。
だって唯くんが────」



あ、思わず言いそうになった。

だって唯くんがカッコイイからって。

唯くんが好きで好きで意識してしまうからって...。



「な、なんでもないよ。」



「...そうやって目をそらす望和の仕草、俺...好きだよ?」



?!



「...さらに勉強に集中できなくなりました。」



「ちゃんと集中しないとだめですよ〜」


唯くんが先生みたいな口調でそう言う。


この唯くんとの会話がやっぱり楽しい。



ああ、

なんで高1の頃の私は、こんなにも大好きな人と簡単に別れてしまったのだろう。



なんで自分は、もっと早くるる達と向き合おうとしなかったんだろう。


ちゃんと友達を信じれば良かったのかな。


周りの目を気にしなければ良かったのかな。



はぁ...。


なんか色々、考えてしまったなぁ。


でも、今唯くんの隣に居れてるし幸せだな。