...話すことになっていたのに、なんと起きた時間は7:50。
今、急いで学校へ向かっているところだ。
これじゃ、唯くんと朝話すどころか遅刻してしまう...。
あーあ、昨日はソワソワしてよく眠れなかったからなぁ。
────ドンッ
「...あっ!!すみません...。」
「あっ...すみません...って、望和?」
「え?唯くん?!
学校、もう着いてるのかと思ってた!!」
「俺こそ...望和は、もう学校にいるのかなと思ってさ。
今日、朝話すことになってたから謝んなきゃなと思って。」
「私も、唯くんに謝らなきゃって思ってた...」
「まあこの場合はお互い様ってことで(笑)」
「そーだね(笑)」
唯くんの眩しい笑顔。
...やっぱり朝からドキドキする。
「あっ、唯くん!!学校まで急ごう?」
そして、私は唯くんの手を引っ張った...。
引っ張った...。
あれ?
唯くんが動かない?!
「へっ?!唯くん?!」
────バタンッ
「唯くん?!
しっかりして唯くん!!!!」
唯くんは、何も返事をしないまま倒れた。
────
「佐々木は、貧血で倒れたみたいね」
保健室の先生が、冷静にそう言った。
「...貧血ですか...」
「まあ、ちゃんと休めば大丈夫でしょう。
というか石井さん、朝のホームルームは?」
「あっ...。
私、唯くんと一緒にいたので...。
しかも目の前で倒れられて心配になったのでついて来ちゃいました...」
「...そう。
まあ、彼女なら仕方ないわね。」
「えっ?!///彼女じゃないですよ!!」
「そう。」
そうだ。
...まだ、唯くんの彼女になったわけじゃない。
って言っても私は、唯くんの元カノだけど。
唯くんの、スースーという息が聞こえる。
...また、保健室へ唯くんの様子、見に行こうかな。
「先生。私は、クラスに戻ります。
...佐々木くんのことよろしくお願いします」


