ふと、目を覚ました。




 あれ…?




 あたし、



 
 生きてる……………?


 起き上がると、あたしは白い箱の中にいた。


「ここ、どこ……………?」

「病院。」

「きゃ----!?か、神寺君…「病院で大声出すな。」
 と、顔をしかめた。

「…………ッ。
 あたし、どうしたの?」

「……………………………………………………………。」


 出たわね、都合が悪いと沈黙作戦。




「俺、今から帰るから。速水も自分ん家かえっていいよ。」




 ……え?



 帰るの…………?






 ずっとずっと、帰りたかった。

 一緒になんて居たくなかった。

 





 だけど…………。








「じゃ、行くから。」

「……………。」



 あたしは、出て行く背中を、幻だと信じたかったから、ただ黙って見ていた。