“カーーン カーーンカーーン”

学校の終わりを告げるベルが鳴る。

帰る準備をしている私に櫻子が来た。

「綺穂っ!帰りましょ!」

櫻子がにこにこしながら話しかけてくる。

何かあるのかしら。

『そうね、帰りましょうか』

私は不思議に思いながらも、笑顔で返事をする。

「綺穂、今日はこの後何かあるの?」

櫻子からのお誘い。

あぁ、やっぱり。

今日はなにかしら?

『いいえ?何もないわよ?』

にこっと微笑むと、櫻子は満面の笑みで話し出す。

「本当!? 家の近くにカフェがあるの!
そこのケーキがすっごく美味しくて!
私、そこのケーキが一番好きなの!
それでね! そこのカフェで新作ケーキが
今日出るらしいの!
行きたいんだけど、1人じゃさみしいし…。
それにね!綺穂に教えてあげたかったの!
だからね、一緒に行かない??!!?
食べに行きましょっ??!」

興奮した様子で話す櫻子が可笑しくで思わず、笑ってしまう。

『クスッ…。』
『まぁ、そうなの』

「だめ?かしら…。」

不安そうな顔をする櫻子。

ふふっ、可愛らしいわね。

『いいえ、是非食べてみたいわ』

その瞬間、櫻子は笑顔になる。

「本当っ!とっても美味しいよ!」

『じゃあ、行きましょうか』

「うん!」

首が取れるんじゃないか、と思うくらい激しく首を縦に振る櫻子。

『少し待ってて頂戴。すぐに準備をするわ』

途中だった帰る準備を再開する。

「私の車でいいかしら?」

『ええ、もちろん』

櫻子の車で行くことになったため、執事に連絡をいれる。

櫻子も執事に連絡を入れてるみたいだ。

《今日、櫻子とカフェでお茶をすることになったの。だから、今日は迎えに来なくていいわ。ごめんなさいね。》

よしっ!っと。

私が連絡をし終わっ時、櫻子に連絡が入った。

「綺穂!迎えが来たみたい!行きましょう?」

櫻子は、ケーキが楽しみでうきうきしてるみたい。

本当に可愛いわね。

『ええ。楽しみだわ、ケーキ』

私も微笑んで言う。