『(´Д`)ハァ…』



おー溜息。よく彼氏が使う顔文字だ。

『ホンマに頼むよ。もう我慢の限界。』

プツっとその瞬間私の中の何かが切れた。キーはただひとつ。

" もう我慢の限界 " ?



何それ。

一方的に失望したという内容のLINEが続々送られてくる。

『ほんまに2年後美人になってなかったら捨てるからな』



うん別にそれも結構前から言われ続けたから聞き慣れたけど。

そんなことよりも兎に角私は、彼氏から発せられた「限界」の二文字にどうしようもなく憤りを感じていた。

何を言われても耐えてた。ブスな私が悪いから。貧乳な私が悪いから。

…限界って何。

これを書いている今、冷静になって考えたら、あのとき怒っていいポイントは他にも沢山あったと思う。

親しき中の礼儀も何も無い彼氏の批判発言のオンパレード。それも、私を女として良くしようと思って厳しく言ってくれてるんだって自己解釈してた。ただの馬鹿だけど。

でも、限界なんて言われたら…



「じゃあさっさと胸の大きいお姉さん探したら?美人でかわいい女の子と付き合えば?」言いたいのを必死で堪えた。

その二文字が引き金になったのはそうだけれど、多分、私の中でも今まで色々な罵倒を受けて少しずつ何かが溜まっていたのだろう。

「うん、分かった。いいよ、胸の大きいお姉さん探しても。」

1年間好きだった彼氏に対して完璧に冷めた瞬間だった。

そして、堪えたはずの言葉もオブラートに包んではいるものの、止めきれなくてそのまま言ってしまった。

『あーほ。君がおっきくなればいいの。あと美人になることな』

…うっさい。

『(´Д`)ハァ…』



『ホンマに探そかな。』

胸の大きい女の子?どうぞ?発言の支離滅裂具合がすごくて、思わず笑ってしまう。愛がパキッと折れた瞬間の、乾いた笑い。

「ほんとに探していいのに。笑」

今までだったら絶対言わなかったであろう言葉を最後に送信し、

「おやすみなさい」

『おやすみ!』

私達は、眠りに落ちた。私の頭の中は、気持ち悪いぐらいぐるぐる回っていた。