しばらくして、君は現れた。




心なしか、目が赤いように見えたけれど
それに気づかない私は

バクバクと大きな音を立てて

心臓が鳴った。




教室に入った後、君の目は私をとらえる。

そしてそのまま私の方へと向かってきた。




言わなきゃ……!

私が席を立ち上がった瞬間、



「昨日はごめん」

彼が反省した顔色で誤った。



「ううん、私こそ。ごめんね。」

けれど、彼は引かなかった。




「まじでごめん。
だから、仲直りの握手、しよ。」

右手を差し出す君。



私は恥ずかしいやら戸惑うやらで

「いいよ」
と手を隠してしまったけれど、






「それじゃ良くないだろ、」

と君は私の手を握った。








大きくて、ゴツゴツしていて、あったかい手。









その手はなぜか


いつもよりも、湿っていた。