結婚式の準備は特に滞りなく、順調に進んでいた。

「希望していた式場にキャンセルがあったのが幸いだったね」

招待状を書きながら朝比奈さんが言った。

「でもその分のスケジュールはハードですけどね」

朝比奈さんの手伝いをしながら、あたしは言った。

「急に決まったから招待状を送ってもきてくれるかどうかはわからないけどね」

朝比奈さんは苦笑いをしながら招待状を書き進めた。

「まあ、そうですよね…。

あっ、お互いの両親への報告はどうしますか?」

そう聞いたあたしに、
「さすがにメールで伝えるって言うのはマズいから、あいさつも兼ねて直接報告しに行こう」

朝比奈さんが答えた。

「そうですね」

あたしは首を縦に振ってうなずいた。

結婚式当日までのバタバタを考えると憂うつになったが、その分だけの幸せが待っているような気がした。