「よかった、まだ起きてて」

あたしが起きていたことに朝比奈さんはホッとしたようだった。

「小春ちゃんと寝るのは初めてだからバカみたいに緊張して、なかなか眠ることができなくて。

よかった、小春ちゃんが起きてて」

朝比奈さんはフフッと笑った。

あたしはともかくとして、
「何で朝比奈さんが緊張する必要があるんですか?」

朝比奈さんは年上だし、何よりこう言うことになれているはずだ。

だから彼が緊張する意味が全くと言っていいほどわからない。

「いつまで、俺のことを“朝比奈さん”って呼んでいるの?」

あたしの質問に答えるどころか、彼はあたしに質問を返してきた。

「はい?」

あたしは訳がわからなかった。

「気持ちが通じあって結ばれたのに、小春ちゃんはいつまで俺のことを“朝比奈さん”って名字で呼んでいるのかなって。

と言うか、小春ちゃんも“朝比奈”って言う名字じゃない」

朝比奈さんが言った。