あたしは朝比奈さんの前に回っている両手をギュッと抱きしめた。

もう覚悟は決めた。

「――あたし、朝比奈さんのことが好きです」

朝比奈さんに向かって自分の気持ちを正直に言った。

「うん」

朝比奈さんは返事をしてくれた。

「いつからなのかは自分でもよくわからないんですけど、気がついたらあなたのことを好きになっていました」

「うん」

「朝比奈さん、好きです。

1人の男として、あなたが好きです。

あなたを夫だと認めます」

「小春ちゃん…」

顔をあげて朝比奈さんを見たら、彼もあたしのことを見ていた。

「俺も小春ちゃんが好きだよ」

あたしと目があったとたんに、朝比奈さんは言った。

「はい」

それに対して、あたしは返事をした。