悶々とそんなことを思っていたら、映画館に到着した。

休日と言うこともあってか映画館はとても騒がしくて混みあっていた。

家族連れや友達同士と言うのはもちろんのこと、恋人同士もその中にいた。

「じゃあ、チケット買いに行ってくるから」

「はい」

朝比奈さんはチケットを買うために、あたしから離れた。

販売所へと向かって行く彼の後ろ姿を見ながら、あたしはそっと息を吐いた。

やっと気持ちが落ち着いた…。

騒がしい人混みの中で、あたしはこんなことを思った。

――周りから見たあたしと朝比奈さんは、どんな風に見えるのだろうか?

やっぱり、夫婦か?

それとも、恋人同士か?

…意外なところでは兄妹、もしくは父娘と言う可能性もある。

「父娘はないか…」

いくら若くして父親になるにしろ、こんなデカい娘はない。