「今日はいい天気だね」

朝比奈さんが声をかけてきた。

「えっ…ああ、そうですね」

自分を落ち着かせることに必死で返事をするのが遅れてしまった。

今日は雲1つない青空がよく広がっていた。

気温もとても温かくて、洗濯物を干したら乾きそうだ。

家を出る前に布団を干せばよかったな。

そんなことを思っていたら、
「映画が終わったら散歩するのもいいと思わない?」

朝比奈さんが続けて話しかけてきた。

「そうですね」

あたしは返事をすることしかできなかった。

彼と手を繋いでいると言う事実を受け止めることができない。

それに対して落ち着かせるのに必死で、彼の話にどうやって返事をすればいいのかわからない。

心臓はドキドキと、早鐘を打っている。

学生時代に1回くらい、男の人と交際すればよかったな…。

そうすれば、こんな状況になった時の対処の仕方がわかるのに。