Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

「それがなんの役に立つの?

感じたところでただ気持ちが浮き沈みするだけ」


「それが良いんじゃないですか」


「理解出来ない」


浮かれたり沈んだりする時こそ時間のムダ。


「はいはい。

患者さん起こしちゃうからステーション戻ろ?」


益々ヒートアップしそうだった言い合いの仲裁に入る神崎。




その仲裁も虚しく、言い合いはステーションへ戻る途中の廊下まで続いた。


「神崎先生はどっちなんです?」


僕を真ん中に右を歩く神那ちゃん、左を歩く水原ちゃん。


案の定巻き込まれた。


「えー、僕に振るの?

僕としては半分半分かな。

どっちかって言われても選べないよ。

外科医にとって心は必要ない、むしろ邪魔なくらい。

でも人にとって心は大切だよ。

だから僕は半分半分」


どちらでもあり、どちらでもない。