Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

「まぁ、それは分かってるんだけどね。

人間そう簡単に感情は捨てられないものだよ」


感情がなかったら最早それは人と呼べるのだろうか。


それこそ機械になってしまう。


「私には感情なんて必要ない。

それは時に判断を鈍らせるだけ」


感情があれば患者を選んでしまう。


それは判断(トリアージ)ではなく好みになってしまうということだ。


例えを言うならば患者の意思を優先させてしまうこと。


許可を仰ぐことと、全て患者の意思に従うことでは話が違うのだ。


助かる見込みのない子供を助けて欲しいと言う意思に沿い、結果どちらも死なせてしまうこと。


助かる見込みのある犯罪者でなく、助かる見込みのない善良な被害者を選んでしまうこと。


例を挙げたらキリがない。


「俺はそんなことないと思います。

感情は必要です」


神那の目を真っ直ぐ見て告げる。


「どうして?

感情があるからこそ人は妬み、傲(オゴ)る」


「感情があるからこそ人は喜びや悲しみを感じることが出来ます!」