Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

「あらま、大変だったの?例の患者さん。

随分眉間にシワが寄ってるけど」


ステーションに戻ってすぐ神崎に言われた。


「出来るなら担当替えて欲しい。

診てるこっちが倒れそう」


席へ腰を下ろすと共に深い溜め息を吐き出す。


「そんなに大変なんだ、西山さん」


「笑いごとじゃない」


「あっ、神那先生!

さっきの方の誤解が解けましたよ!

ちゃんと話せば分かってくれる人でした」


ステーションへ入ってすぐに告げるフェロー。


「誤解って何かあったの?

ひょっとして訴訟系?」


「解けようが解けまいが私には関係ない。

興味もない」


神崎の言葉は無視して話す。


「またまた神那ちゃんはそういうこと言って…」


RRR…。


「はい、亜城西救命救急センター」


『葛西(カサイ)消防よりドクターヘリ要請です。

志方(シカタ)工場内で事故発生、負傷者1名。

機械に左上腕を挟まれています。

血圧80の60です。

SpO2は89、呼吸数26です』


「分かりました、出動します」


連絡を受けた神崎がCSに確認を取った上で返事をした。


「じゃあ行って来るね」


珍しく走って行く神崎。