「儲かるって…面白いって…。

仮にもここは命を扱う現場ですよ⁉︎

不謹慎じゃないですか⁉︎」


バン、と机に手を付き立ち上がるフェロー。


「声を荒げないで、煩い。

ここがそう言う場所なのはとっくに知ってる。

というより君よりも遥かに分かってる」


バカにするのもいい加減にして欲しい。


「どうして分からないの?

君好みの言葉に言い換えるならばお金さえあれば救える命だってある。

日々新しいことを学び、経験するのは面白い。

別に不謹慎じゃない」


そこらの医者と一緒にしないで欲しい。


不愉快なこと極まりない。




お金さえあれば、お金さえあれば…母は死なずに済んだ。


お金に執着するのは普通。




「稼いだお金の半分は寄付してる。

これで助かる命は増える。

それでも不謹慎?」


なぜここまでムキになって答えるのか、自分でも分からない。


「いえ、素敵ですね」


先程とはうって変わった表情のフェロー。


「そう」