当直の医師や用事のある医師以外は帰ったと思われる時間帯。


「あの、神那先生。

くだらない質問なんですけど1つお聞きしても良いですか?」


「くだらないと分かっているなら聞かないで」


机に備わっている最新型のパソコンを叩きながら答える。


答えるだけ、考えるだけ時間のムダ。


まぁ、答える気はさらさらないけど。


恵は見回りに行っている為、ここには2人しか居ない。


「そんなこと言わずにお願いしますよ」


「10秒でまとめて」


聞くまで煩くされるのは御免だから。


「はいっ、まとめますっ。

神那先生ってどうして医者になったんですか?

それも過酷な救命の外科医なんかに」


外科医なんかに…?


それに今までの質問の中で1番くだらない質問。


その質問はもう聞き飽きた。


どこへ行っても同じような質問ばかり。


「そんなの決まってる。

儲かるし面白いから」


「…はい?」


「言葉通りの意味。

面倒だから聞き返さないで」