Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

「うん、そうだよ。

ここ救命では大概神那ちゃんが指導医なんだけど。

厳しい上に語らない、で有名なの。

この病院、まぁ救命だけかもしれないんだけど。

極力一緒に居るようにってのがあるから余計にね」


本当にはた迷惑な決まり。


「どうしてなんですか?」


「いついかなる時も観察し吸収する為だよ。

患者への対応、オペの技術、現場での判断。

全てにおいてね」


「迷惑極まりないけど」


視界の端でうろつかれると気が散る。


対した腕もないのに歳下だと思って偉そうにする人が多いし。


「けど神那ちゃんは僕より知識量と繊細なオペには優れてる。

その部分では大いに尊敬してるよ」


冷静なのは当たり前だからそんな言葉は口にしない。


「それ、さっき神那先生も同じようなこと言ってました。

処置速度と耳に関しては尊敬してるって」


余計なことばかり…。


「えー、嬉しいなぁ」