Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

「確かにそれ良い考えだね、神那ちゃん」


「分かった、飲む」


紙コップにバニラ味のそれを注ぐ。


「また勉強する?それとも…」


「勉強する」


瑠璃と話している時だけ表情、言葉が和らぐ。


「分かった。

この前の続きからで良い?」


「うん」


「じゃあ、僕はお暇(イトマ)するとしようかな。

邪魔しちゃ悪いしね」


「えと、俺は…」


「水原ちゃんは神那ちゃんと居なさい。

それとイスに座ったらどうかな」


「あ、はい」


遠慮がちに神那の向かいに座る紫音。


「ん、これ意外と美味しい」


「栄養ドリンクも進化してるの。

はい、何事も経験」


新しくコップに注ぎ、紫音に渡す神那。


「あ、ありがとうございます」


「身体に害の無いものは積極的に自分の身体で試す。

そうすればより薬の特徴が分かる」


「なるほど…」


「神那先生、ここ教えて?」


「いいよ。

君も一緒に勉強したら?」


「今更高校生の勉強なんて…」


広げてある教科書を見て、口が止まる。