「立場とか歳とかそういうの本当に興味ない、どうでも良い。

私は自分より上か下かで判断する」


それ以外の判断基準は必要だと思えない。


青島は普通に考えても私より下。


「ははっ、そうだな。

じゃあ頼んだぞ。

霜月の方が上なら適任じゃないか」


…嵌められた。


私がこう返すと思っての言葉だったのだろう。



フェローを置いて爽やかに笑いながら去って行く青島。


これから先が思いやられる…。


イライラしてガタンと音を立てて席を立つと。


「どこ行くんですか?オペですか?」


質問が来た。


「回診。

着いて来なくて良いから」


「そういう訳には行きませんっ」


どう言っても着いて来るので諦めて無視して歩くことにする。


気にするだけムダ、だったら居ないものとして行動するのが得策。


「それにしても神那先生って凄いですよね」


スタスタと歩いているのに対して小走りで着いて来る。


「馴れ馴れしく名前で呼ばないで」


そこまで親しくなった覚えはない。


「えー、別に良いじゃないですか。名前ぐらい。

皆言ってますよ?

某有名医大を首席で卒業した、神の手の持ち主だって!」


神の手…ね。


「バカみたい」


子供の発想とまるで変わらない。


むしろ子供以下?


冷たい目でフェローを見る。