「亜城西救命セン…」


『ヘリ要請ですっ』


私の言葉を遮り、大幅に省略して告げた。


「消防名、現場、患者情報。

まずはそれを教えて」


『あっ…すみません。

亜城消防です。

場所は亜城海岸、ヘリコプターの墜落事故です。

飛行中のヘリコプターがなんらかの原因で海へ墜落しました。

負傷者不明です。

我々も現在現場に向かっている最中です』


「分かった、出動する。

詳細分かり次第無線で知らせて」


『はいっ』


「神崎、藤代、飛んで。

患者数、怪我の度合いは不明。

今現在では予測不可能。

開胸、切開、縫合、蘇生、考えられるセットを持って行って。

海だから溺死の危険性もある。


足りなければナースに往復させるか近くの病院から借りて。

それから血液多めに」