「どんな時でも味方で居てくれる人よりも、どんな時でも中立な立場で居ようとしてくれる人の方が良い。

そういう人なら一緒に居たいと感じる」


「そういうものですかね?」


「間違いは間違いだと諭してくれる方が良いに決まってる」


「確かにね」




ピーンポーンパーンポーン、とチャイムが鳴った。


「…」


外来でしか聞かないその音に耳をそばだてる。


『コードグリーン、コードグリーン。

院内庭園にてコードグリーン発生。

手の空いている救命医師は処置室へお越しください』


普段はお越しくださいなんて言わないのに。


死傷者人数は少ない、か。


だから混乱を防ぐ為に最小限の人数で、ということだろう。


「コードグリーン…!」


「おいおい、冗談でしょ…」


「コードグリーンってなんですか?」


バタバタと処置室へ向かおうとしている2人に話しかける。