「転落かぁ。

どこ打ったかによるよね。

まぁ、悠くんなら大丈夫だと思うけどね」


「え、どういうことですか?」


「悠くんは内科医だけど。

僕が基本の脳手術、神那ちゃんが基本の胸腹部手術について教え込んだの」


「そんなこと可能なんですか?

脳もお腹もなんて、そんなことが…」


「普通は無理、不可能。

でも全て教えた訳じゃなく基本のことだけ」


「流石は悠くん、てことだよね。

医大時代から天才って言われてたから」


「ひぇ…天才ですか」


「まぁ。

ここに来れば天才だろうがエリートだろうが関係ないけど」


どこの誰であれ、顔色を伺ったり甘くしたりはしない。


「そこが神那ちゃんの良いところだよね」


「本当に厳しいですけどね…」


即答された。


「何言ってるのさ、そこが良いんじゃないの。

誰に対しても同じ態度ってのは早々出来ることじゃないんだから」