Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

「少しの間だけ待つ。

それでも来ないなら置いて行く」


「了解」


「お、遅れてすみませんっ」


しばらくして、息を切らせたナースが慌ててヘリに乗り込んで来た。


器材を多く抱えていたことから、器材選びに迷ったのだろうと予想が出来る。


「別に」


ドアが閉められると同時に飛び立った。


「状況、確認しなくて平気なの?」


姿勢を正して景色を見ているフェローに尋ねる。


「え?」


「現場の状況、把握しなくて処置出来るのかって聞いてるんだけど。

景色なんか見てないで。

今日のフライトドクターは君でしょ?」


「あ、は、はい」


震える脚でカチッと通信ボタンを押した。


「あ、亜城西救命センターから嵐山消防本部へ。

現場の詳しい状況を教えてください。

お願いします」


「教えてください、までで良い」


ボソリと呟く。