Leben〜紫陽花の強い覚悟〜

意識レベルは開眼、発生、運動機能を見て判断する。


健康な人、つまり最大は15であり最低は3。


この患者の場合は6である。


辛うじて意識があるが話すことは出来ない、という状態だ。


痛みも辛うじて感じている程度。


続いて胸部の診断に移る。


「神崎、脳の方は?」


「ただの出血だけ、問題ないよ。そっちは?」


「心拍数が徐々に弱まって来てる。

神崎、ヘリからエコー持って来て。

FAST(ファスト)やるから」


「オーケー」





【FAST】
お腹の中や心臓周囲、胸の中に出血があるかどうかを確認する超音波検査のこと。






【簡易な見極め方】

Face(顔)
顔に左右で歪みがないか、上手く笑えるか。

Arm(腕)
両手を空中で保持出来るか、片方の腕が重力に負けて下がっていないか。

Speech(会話)
いつもと同じように会話出来るか、呂律が回っているか。

Time(時間)
発症から治療までの時間が勝負。





エコーを待つ間、心臓マッサージを始める。


早急に処置しなければ心臓が止まる。


モタモタなんかしてられない状況。


「持って来たよっ」


息を切らせている神崎からエコーを受け取り、FASTを見る。


エコーを滑らせて行くと…心臓部位に血液の貯留があるのを見つけた。


これは…。


「心タンポナーデの可能性が高い。

このままじゃ病院まで持たない。

ここで開胸する、神崎は挿管して」