BLACK DOBER --君だけに--




学校初日は本当に寝ていただけで終わってしまったので明日からは頑張ろうと心に決めて校舎を出ようとした時、目の前に一人の男が立ちふさがった。


「ん?なに?」


とりあえず聞いてみる。


「おまえ機械いじりできるんだってな。」

目の前の金髪イケメンは人懐っこい笑顔でそう聞いてくる。


「まぁね。車とバイクだけだけど。」



そう答えると男はじゃあちょっと来いと言って腕を引っ張ってきた。


「え?どこに?まってまって…て、え?」



校門の前に黒塗りの最高級ベンツが止まっていた。

車好きの私はテンションが上がるがひとつ問題があるとすれば、目の前の男は確実にそのベンツへと足を向けていることだ。


やばい所に連れていかれるに決まってる。


周りの視線もすごいし、遠くで先生たちも見てるし…




どうすればいいか分からないでいるとベンツの前までやってきてしまい、金髪男は「後ろのれ」
と言って私の手を離した。