BLACK DOBER --君だけに--



そうこうしているうちになんとか仕事を終え、惚れ惚れとバイクを見つめていると後ろから声がかかる。


「おい、終わったのか?」


「うん、バッチリ!」



二カッと笑ってそう言うと意外なほど嬉しそうに笑って礼を言われた。


「ありがとな。…乗りたいか?」


笑顔に少しどぎまぎしたけど、なんとか抑え込んで答える。


「乗りたい!けど、免許ないんだよね」



そう言うとそうか、とつぶやいて整備したてのバイクのヘルメットを取り出してまたがる。

それをボケっと見ているとびっくりすることを言われる。


「乗れ。」


え?


「うしろ?」


「お前はバイクの前に乗ったことあんのか?」



いや、ない


てかめっちゃ笑ってる


そんなきゅんきゅんする笑顔で笑わないで欲しい