「お前ほんとすげーな。今までん中で一番だよ。」
どうやら黒髪に褒められたらしく照れくさくなる。
「そんなほどでもないよー。そうだ、名前なんてゆーの?」
「天翔(かける)だ。東院(とういん) 天翔。」
「私は市原 真理亜。よろしく。」
手を差し出すと、はっと気づく。めちゃくちゃ汚い。真っ黒だ。
「あ、ちょっと待って。やっぱいい。」
そう言って手を引っ込めようとすると強引に手を握り返される。
「え?」
「汚くねぇ。俺のためにやってくれてんだから、汚くねえよ。」
そう言って少し笑った顔はやっぱりイケメンだった。

