良かったね、莉桜。まだ、見放されてな……


「1人で行く」


「ぬぇぇえええ!!?なんで!?何で1人で行っちゃうのっ!!?」


あたしは叫び声をあげた。

が、それは、この教室に居るであろう生徒たち全員が、聞こえてない。


また、莉桜も例外じゃない。

莉桜は、スタスタと教室を出て行ってしまった。


……あいつ……何考えてんだろう……。


莉桜が教室から出た後、莉桜を誘った子は、悲しそうな顔をしていた。


……あれ?なんか……見たことあるような……。


すると、莉桜を誘った子とは別にもう一人後ろからひょっこり出てきた。


「全くー、莉桜ったらー……」

あたしが、ブツブツと独り言を呟きながら教室からでようとしたとき、2人の会話が聞こえた──。