君がくれた秋。






卒業してから八年。

卒業後香奈は進学して、私は仕事に就いた。なかなか予定が合わないのもあるけど、自然と会わなくなっていた。

仕事にもすっかり慣れて、私は同い年の彼氏も出来た。

代わりの効かない幸せな毎日を私は過ごしている。

それでも、今でもたまに、あの秋のことを思い出す。

あの時の私は忘れてしまっていた。

秋は、毎年来ることを。