皆は今にも泣きだしそうな顔をして走り去っていった。


残された私は、男子高校生が差し出してくれた手をつかみ、立ち上がる。


「余計なことしてたらごめんな。」


もうしわけなさそうに謝る彼に、私は何度も首を横に振る。


そんな私にホッとしたのか、彼はまた私の頭を撫でた。


「もし悪化したらごめん。


俺、毎日ここにいるし、いつでも話聞くから。」


そう言ってくれた彼は、今まで会った誰よりも格好よかった。