「穂香~、早く起きなさーい。」 「もう起きてるよ。」 毎朝うるさいお母さんの声。 いつもその声の前に起きているのに、叫んでくるから少し腹が立つ。 鏡の前で何度も制服をチェックした後、大きく頷く。 「オッケー、ばっちり。」 高校2年生になった私は、今日から新しい学校へ通う。 父の関係で、5年前に引っ越したあの街へ戻ることになったからだ。 転校初日、かなり緊張している。 その上あれやこれやしているうちに、私は新学期から2日遅れの登校となってしまった。