コンコン

「ニーナ様がいらっしゃいました。」

「通せ」

「お入りください、ニーナ様」

扉を開けてもらうと、そこには足を組んで偉そうに座っている、男の人がいた。

「ジル?」

「なんで、?ついてんだよ」

「だって、小さい頃はあんなに可愛かったのに」

「のに……?」

「今じゃあすっかり大人になったのね。」

「ふんっ、そうかよ。んなことより、早く座れ。話ができないだろ」

「ごめんなさい。今日来てもらったのは___」
「結婚、だろ?」

「ええ、そのことよ」

「俺は結婚でもなんでも、いいぞ」

「そうなの?」

「あぁ、ただお前がいいかどうかだ」

「私は大丈夫よ。覚悟を決めたから来たのよ」

「そうかよ、じゃあ2週間後式だ」

「わかったわ」

「色々あって、5日間だけここに居ることになる。いいよな?」

「ええ、大丈夫よ。ゆっくりしていって」

「あと、俺の国に着いたら、執事はこのレオだ。慣れるためにも、この5日間は一緒に行動しとけ。」

「わかりましたわ。レオさんよろしくお願いします」

「レオでいいですよ。ニーナ様」

「わかったわ、レオ」

「じゃあ、俺は狩りに行ってくる。なんかあったら言えよ。」

ジルがそう言った瞬間レオの眉が少し寄った。

「気を付けていってらっしゃい」
この時まだ何も知らなかった私は、満面の笑顔で言った。