王宮暮し

走って自分の部屋に戻った。

「うっ…うぇ…」

涙が止まらない。

裏切られた気分。

でも、そもそも私たちの関係は婚約というかたちだけのもの。

ジルがどうしようと関係のないこと。

私だけ、2人で愛し合い幸せになることを想像していたの?

私だけ、愛のある婚約をしようとしていたの?

急いで走ったため早く自分の部屋についた。

ベッドの中にもぐり、声を殺して泣いた。